部隊長の悪戯
 スカリエッティと戦闘機人による一連の事件が解決したことで機動六課はその役目を終え、今は皆それぞれこれからに向けて準備をしていた。
昇級試験に臨む者、新天地を目指すもの、皆それぞれの目標に向けて動き出していた。ただ共通して言えるのは今の隊舎を出て行くということであり、
その準備に追われていた。そしてそれは隊長陣も例外ではなかった。

「あーもー片付かへん!」
 そういって自身の私室で頭を抱えているのは八神はやて。若干19歳にして自分の部隊機動六課を立ち上げた少女だ。
そのはやても六課解散に伴い住居を今のところから移すためこうして引越しの作業に追われていた。そんな疾風の部屋に来客を示すノックが聞こえた。
「はーい、どーぞ」
はやては間延びした返事をする。ここは私室のため仕事関係の来客はないためだ。
「失礼します」
 挨拶と共に入って来たのはエリオ・モンディアル。機動六課ライトニング分隊所属の少年である。予想外の訪問者にはやては驚いた。
はて、エリオに用事など頼んだだろうか?そんなことを思案しているとエリオが話しを切り出した。

「すみません、これフェイトさんに渡すよう頼まれたんですけど…」
そう言ってエリオが差し出したのは大き目の封筒だった。
「ありがとうな」
 はやては封筒を受け取るとエリオを労った。
「それでは失礼します」
用件を終えたエリオが立ち去ろうとするとはやてが呼び止めた。
「ちょい待ちい」
エリオは何事かと思い立ち止まる。

「何ですか、はやてさん?」
はやてが特有の柔らかな笑顔を浮かべて答える。
「いや、わざわざここまで来てもらったのにただ返すっちゅーのもどうかと思ってな。ジュースでも飲んでかへん?」
その提案は先ほどまで隊舎内を動き回っていたエリオにとって魅力的なものだった。
「それじゃあお言葉に甘えます」
そういうとエリオははやての部屋へ戻っていった。
「はい、どうぞ」
 エリオの前にジュースの入ったグラスが置かれる。グラスの表面が水滴で濡れていて、よく冷えていることが分かった。
自らの飲み物も用意したはやてが対面のソファに腰掛ける。
「いただきます」
 エリオはグラスを傾けオレンジジュースに口をつける。その様子を頬杖をついて眺めるはやて。
「そっちはどないな調子や?」
「前よりは忙しくなくなりましたし、自分の周りも見渡せるようになりました」
「それはいいことやね」
二人はこれまでのことや、進路のことを話した。

 暫くしてエリオは視界にある何かに気づいた。
「あの、はやてさん、あれ・・・」
エリオの視線の先には何やら大きめの箱が忘れられたように鎮座していた。
「あーあれか。うちも荷物整理の真っ最中でな、なんや昔の服まで出てきてもうて大変でなあ」
そういうとはやては視線をエリオに視線を戻す。
「ん、エリオどないしたん?そんな顔して」
そこには少し考え込んだ表情をしたエリオがいた。
「すみません、はやてさんの世界の服ってどんなのだろうって思ったんです」
好奇心からくる子どもらしい質問だったが、申し訳なさもあるのかエリオのトーンは小さくなる。
「どんなんやと思う?」   
 はやては柔らかな笑みを浮かべて問いかける。エリオが唸りながら考えるが如何せん行動範囲がほぼ管理局内のみのため難しいようだ。
六課の制服やキャロにフェイトなど親しい者の服を思い浮かべてみるがどれも違う気がする。

「…ちょっと想像出来ません」
かなり考えた後、エリオが白旗をあげる。するとはやてはジャーンと言いながら服を両手で広げていた。
「正解はこんなんでしたー」
ワーパチパチと自分で言って見せたのは白のセーターと赤いスカートだった。
「ここではあまり見かけないタイプの服ですね」
はやての私服は珍しいものではないが、外の世界をほとんど知らないエリオにとって真新しいものだった。
「まあ、そうやね。これはうちがエリオと同じ年ぐらいに着てたもんなんやで」
そういうとはやてはエリオに手招きをした。
「なんですか、はやてさん?」
はやては素直に自分の下へ近づいてきたエリオをじっと観察するように眺める。その顔はセクハラ部隊長と呼ばれる時のものだった。
「あ、あの…」
エリオが嫌な予感から不安げな表情を浮かべる。
「この服着てみてくれへん?」
悪魔が降臨していた……

 部屋のすみっこでエリオが服を着替える。あの後エリオ断ろうとしたが結局失敗に終わった。エリオも他の人に見られるでもなしと自分を納得させて今に至る。
「どうですか、はやてさん?」
エリオが戻ってくるとはやてが今か今かと待っていた。
「おー待ったでエリ…」
はやては途中で言葉を止め固まってしまう。目の前にいた元少年の姿に完璧に目を奪われていた。
エリオが着ているセーターは多少袖が長かったのか腕が余ってしまい本来の背丈よりエリオを一層小さく見せていた。
更にスカートは適度な筋肉の付いた決して武骨ではないその脚線美を惹きたてていた。そして中性的な顔立ちのおかげで今のエリオは紛うことなき女の子となっている。
彼を知らない者が見れば誰も男だとは思わないだろう。それくらいエリオにこの服が合っているのだ。
だが、当のエリオは勢い込んだとはいえ女性ものの服を着た羞恥心からか、若干落ち着きをなくしていた。
それをはやてが何かを選定するような目でまじまじと見つめている。エリオもすぐにはその視線の意味するところを理解出来なかったが
、瞬時にあることに思い至り表情を強張らせた。あれははやてが部下に彼女の言うところのスキンシップを図る時のものである。
それは言葉にしろ、行動にしろ、今まで碌なものであった試しはない。
そのため、エリオははやてに対して身構えるが、彼女から言われた言葉はエリオの予想を右斜め上に突っ切るものであった。

「エリオってほんまは女の子ちゃうんか?」
そういうとはやてはエリオのスカートをぴらっとめくり上げた。いくら女装したとはいえ流石に下着までは変えておらず、
女性物のスカートに紺のトランクスというありえない光景が広がり、もとに戻った。
「なにするんですか!」
 直後、エリオは紅潮しながらスカートを押さえつけた。しかし、羞恥心が大きく、目尻に涙を浮かべて抗議する。
その表情はあるサンダ―レイジ並の破壊力を持っており、それを眺めていたはやても電撃を食らったような衝撃を受けていた。
 はやてはそれから数瞬呆けてしまったが、またすぐにセクハラモードに戻ると口撃に移った。

「エリオはほんまかわええなあ……」
と、エリオを舐めるように見つめて呟いた。
「っ……!!」
 まったく予期しなかった人物の名前が出てきたことでエリオは完全に意表を突かれてしまった。
「エリオもやっぱり男の子やなあ……こんな立派な槍を持って…」
はやてはスカートの隆起に気づくと、にやけ顔で指摘しエリオの感情を煽った。
「そんなことありません!」顔を真っ赤にして反論するも、ここまで語気を荒げてしまっては全く説得力を持たなかった。
「普通の男の子はこんなことじゃ勃たへんよ」
涼しい顔で返すはやては更にとんでもないことを言った。
「エリオはきっと女装癖があるんやな」
「なっ……」
はやてのあんまりといえばあんまりな発言にエリオは思わず二の句がつげなくなる。それはそうだ。
今まで好き放題言われてきたが上司に自分の性癖を、それも多分に特殊なものであると断定されてはたまったものではない。
「ちがいます!はやてさんがこんなことさせるからじゃないですか!」
そう言うとエリオは自身の恰好を指差した。
 しかし、はやての暴走がそれで収まるわけもなく、それどころか火に油を注ぐ結果となった。

「なんや、私のせいなん……?」
そういうと一人思案顔で何事か考えを巡らせ
「なら、はやてさんがなんとかしたるわ」
などと言い放ったのである。それも名案やろ?言わんばかりの改心の笑みを浮かべてである。はやてのあんまりな提案にエリオも言葉を失ってしまう。
「はやてさん、何言ってるんでっ……」
エリオの抗議は最後まで紡がれることはなかった。正面にいたはやてが眼前に迫ってきた。
「わ、わ、わ……」
エリオは思わず体勢を崩し、勢いよく背後のソファに倒れこむ。ソファが二人分の重さを受け、ぎしっと音を立てて軋んだ。はやてがエリオに覆いかぶさった。
二人の体格差からエリオの身体がすっぽり収まった。
「なにするんですかはやてさん……」
 今の状態とこれから行われることへの不安からエリオはたまわず声をあげる。
「何って、ナニに決まっとるやん……やっぱむっつりやなあ」
はやてがエリオの首筋を撫で始めた。
「うわっ!」
エリオは攻まりくる未知の感覚に自分でも信じられないような声を出し、驚愕してしまう。
この反応に味をしめたはやては、手をエリオの服の中に潜らせ、身体を弄りだした。
「やめてください!」
若干語気を強め抵抗するエリオだが、それではやてが大人しくなることはなかった。
 なおも這うような手つきで降下させていきスカートの中に侵入した。

「ほれほれー」
はやては完璧に楽しみながら手を遊ばせていると「何か」に当たり、ぎゅっと掴んだ。
「へっ……?」
はやてが間の抜けた声を上げ前を向くとエリオが今にも爆発しそうな赤面顔でこちらを見つめていた。 
   はやてが触れていた「何か」は、膨張しきったエリオのモノだった。自分が触っているものの正体に気づいたはやてはそれを強く握ってみる。
「だめですってば、はやてさん」
言葉こそ今までと変わらないが、その口調は確実に変わってきていた。
「ほれほれ、そないなこと言いながらエリオ君のストラーダはフルドライブやで」そんなエリオの様子を感じ取ってか、はやては一気に攻勢をしかけた。
「まず、邪魔なもんは取っ払ってまおか…」
 そう言ってエリオの下着をズボンごと剥ぎ取ると、そこにはまさしく槍と呼ぶに相応しいブツがそびえ立っていた。

「もういいですから!もういいですから!」
流石にこんなものを晒されてはどうしょうもないのか、エリオがそれ以上の行為はしないよう懇願する。
「そない言うたかて、こんな反応見せられたらなあ…」
はやてがエリオのモノの先端をつつくと透明な液体が岩盤の水滴のようにじんわりと広がっていった。
「くっ!!」
エリオが悔しそうに声にならない声をあげる。例え自分の意思と無関係でも、これでははやての言葉を肯定したようなものだからだ。
そのためエリオは軽く自己嫌悪に陥っていたが、急にその場が静かになった。
「はやてさん?」
そのことを不審に思ったエリオが視線を向けると、はやては何か一点を注視しているようだった。その視線の先にあるのはカウパーに濡れたエリオのモノだった。
「はやてさん、どこ見てるんですか!?」
エリオは慌てるも後の祭りである。
 はやては研究対象を観察する学者のような視線のままモノを見てこう言った。
「やっぱ被っとる?」
「ぶっ!!」
エリオは本日何度目かも分からないはやての爆弾発言に呆れを通り越して噴出してしまった。
エリオはとんでもなく狼狽するが、彼の年齢を考えればまだどうこう言われるような問題でもないのだが…

「こんなんじゃキャロを喜ばせられへんでー」
「っっっ!!」
はやてからのまったくの不意打ちにエリオは体温を上昇させた。
「なんでそこでキャロの名前が出てくるんですか!」
エリオは顔を真っ赤にして反論するが、はやてはどこ吹く風とばかりに受け流し、モノの先端に手をかける。
「ほな、はやてさんが剥いたるわ」
ズルッ!エリオのモノが勢いよく引き抜かれる。エリオは未曾有の痛みに襲われた。
「痛っ、痛いですよ、はやてさん」
はやての突拍子もない行動に目尻に涙を浮かべるエリオ。
「でもこれはこうした方がいいんやで?」はやてはおどけて言う。
「ん…?」
 はやてが手に違和感を覚えて視線を落とすと顔の色が潮のように引いていく。
包皮から解き放たれたエリオのモノが力強く反り返り、右手の中でビクビクと脈打っていた。
「こら、偉いもんが出たなあ…」
たまげたように声を挙げるはやて。藪を突いたら蛇ではなく大蛇が出てきた。心境としてはそんなところだろう。

「うっ…」
だが、エリオが何かを耐えるような顔をしているのに気付きはやてのセクハラ魂に再び火が付いた。
「エリオのストラーダはフォルムツヴァイもごついなあ…」
熱い視線を向け観察するはやて。当のエリオは羞恥からか顔を赤く染めていた。「こんなんはどうや?」
はやては右手をエリオのモノから離すと、さおの上部をデコピンの要領で弾いた。「うわあああ!!」
今まで守られていたものが外気に晒され敏感になっていたのに加え、はやてからの刺激で大声が出てしまう。
エリオには少し強すぎたらしく、息を荒くしている。それを見て流石にまずいと思ったのかはやてが詫びた。
「ごめんな、エリオ。痛いんわもうなしや」
そう言い屈みこむと、エリオのモノに下を這わせだした。
「は、はやてさん……!!」
エリオは慌てて静止しようとするが、はやての奉仕はお構いなしと言わんばかりに続いていった。
「ちゅる……どやエリオ、どんな感じや?」
竿を中心にエリオのモノを丹念に嘗め回していくはやて。

「はやてさん…凄いです」
初めての感覚にエリオは言葉を上手く紡げなくなっていた。
無理もない、自身のモノが異性の唾液で濡れる様とそれをはやてのような女性に舐められるのは扇情的すぎて一介の少年に抗えるはずもなかった。
 周囲に聴こえるのは、はやてが口淫をする音と二人の息遣いのみで、空間が切り取られたような静寂に包まれていた。
「は、はやてさん…」
その静寂を打ち破ったの頬を紅潮させ、身体を小刻みに震えさせたエリオだった。
「どないしたん、エリオ?」
舌の動きを止め見上げる形で聞くはやて。
「さっきから変なんです、奥から何かがこみ上げてくるみたいな…」
エリオは自身に起こった異変を正直に告白する。
「大丈夫やで、あたしに全部まかせ」
エリオの言葉から全てを察したはやては早速行動に移る。はやては一旦舌を離すが、エリオは意図が分からず困惑する。
「はやてさん…」
しかし、それもはやてがモノを上からくわえ込むとすぐに霧散した。

 ぢゅる…ぢゅる…いやらしい水音とともにエリオのモノを刺激していくはやて。はやての舌が意思を持った生き物のようにエリオのモノを這い回っていく。
「は…あ…あ…」
もはや言葉にすらならなっていない声を出すエリオ。そこにはやての追い討ちがかけられる。
「ほや、へひほ、ひほひええは?(どや、エリオ、気持ちええか?)」
エリオのモノをくわえ込んだまま問うはやて。
「はやてさん、僕…もう…」
 はやての口の動きと言葉の振動が起爆剤となりエリオの精が吐き出された。
ドピュッ!!
「んんんん!!」
はやてはとっさに身体を離すが、気付いてから動く以上全部は避けきれず、いくらかははやての口内に叩きつけられる結果になった。
更にはやてが避けたことで、噴水のように飛び出した精子が、はやては元より、エリオの身体にも降り注ぎ白い模様を形作っていった。
「はあ…はあ…」
 人生初の射精を終えたエリオは川面の魚のように酸素を求めていた。
「しっかし、まさかここまで盛大にやられるとは思わんかったわ」
傍らではやてが恨み言のように溢しながら顔と腕を重点的に身体を拭いている。他の部分は服を着ていたためそこまで汚れずに済んだ。
その代わりさっきの服は暫く着られそうにないが。
 だがエリオは心ここにあらずといって感じであった。はやてが身体を洗う旅に彼女の豊かな双丘が眼前で自己主張をする。
フェイトやシグナムと比較されがちだがはやても平均のサイズは上回っており、けして小さくはないのだ。
それを見て無関心でいられるほどエリオは子どもではないため目のやり場に困ることとなった。

「すみません……」
 少しして、呼吸を整えたエリオが顔を赤くして詫びる。身体にはまだ白濁液が付着したままだ。
「別にええよ、こういうの嫌いやないし」
言いながら指先についた射精の名残をちろりと舐め取った。それは先ほどまでの行為やはやての表情と相まってひどく蠱惑的なものとなる。
 これがスイッチとなり、エリオの中で静まったはずの炎が再び燃え上がった。
「ははーん」
エリオの高ぶりを感じ取ったはやては悪戯を思いついたような顔で彼のもとへ寄って行き、白いもので汚れた身体に奉仕を始めた。
「お姉さんにまかせなさーい」
おどけた口調で言いながらエリオの上半身に下を這わせる。
「はやてさん駄目です、このままじゃまた……」
はやてが一つ汚れを舐め取るごとにエリオの全身に電流が駆け抜け、下腹部に血液が集まりだす。

「くっ……!」
 自身の膨張によりエリオが苦悶の表情を浮かべる。一度出しているにも関らず、すぐに射精出来そうなくらいにそれは膨れ上がっていた。
エリオの変化を察したはやては下を身体に置いたまま、膨張したストラーダの根元を掴んだ。
「まったくどんだけ溜め込んでたんや、適度に出さんと身体に毒やよ」
「溜め込むも何もこれが始めてです」
咄嗟に言葉を返すエリオ。そして彼の弁が間違いでないことを何よりも高々とそびえ立つ‘彼自身’が雄弁に物語っていた。
「なら最後までいってまうか。お子さんもそれを欲しがってるみたいやし…」
はやてに掴まれているブツから再び透明の液体が湿らせたガーゼのように染み出し、びくびくと脈打っていた。

「ほな、どないやエリオ?」
はやてが自らの秘部を指で押し広げ見せ付けた。思わず息を呑むエリオ。そこは先ほどまでの情事ですっかり湿っており、エリオを受け入れるのに十分であった。
「いくで…」
はやてはエリオの腰に手を置き、身体を落としていく。組み敷かれたエリオは自然とはやてを見上げる形になり、そこでは二つの果実が自己主張していた。
はやての均整のとれた肢体は何処か芸術作品を思わせる風があるが、エリオにとっては強すぎる刺激でしかなかった。
目のやり場に困ったエリオが視線を泳がせながら頬を赤らめると、はやてがニヤリと笑った。
「もっとエリオも楽しまな」
はやてはエリオの手を掴み、自身の双丘へと導いた。
「あ……」

エリオは手がそこにたどり着いた瞬間声を漏らす。初めて触れた女性の肌は想像以上に柔らかく、暖かかった。
トクン…トクン…はやての鼓動が心地よいリズムで伝わってくる。
「はやてさん、心臓が早くなってせんか?」
エリオは聞きながらそれを確認するかのように手のひらを動かしてゆく。
「それはお互い様やで……」
女神のような笑みを浮かべて自分の手をエリオの胸部に持ってくる。エリオの胸板は年相応の薄さだが、日々の訓練の賜物か少しばかり筋肉がついていた。
それを慈しむように撫でる。
「くすぐったいですよ」

もっと触りたいという男としては真っ当な要求を隠そうとして、首を振り答える。しかしエリオの心臓は、はやてに負けないくらいに早鐘を撃っていた。
「どや、お姉さんの感触は?」
はやてはそう言うとエリオの胸板から手を放し、身体を傾けていった。はやての豊かな膨らみが音を立てて潰れる。
「うわ〜〜!!」
エリオは突然のことに叫ぶことしか出来なかった。しかも今までなかった先端の刺激が加わったことで、エリオの中の雄の部分が目覚めつつあった。
 膣で力強くなったエリオのモノに性の萌芽を感じたはやてが耳元で甘く囁いた。
「エリオも男の子やねんな…好きにしてええで…」

’ドクン’その一言が引き金となってエリオの奥底の欲求を呼び覚ました。
「いきますよ…」
エリオははやての胸に慎重に手を伸ばす。周囲を撫でながら力を込めていく。
「はやてさん、凄く…柔らかいです…」
はやての胸をぎこちなく変形させながら零すエリオ。
「ん…ええ感じやで」
はやては目を細めて笑みを浮かべる。
「こんなのはどうですか?」
次第にポイントを押さえ始めたエリオの的確な愛撫に声が少なくなっていく。エリオが先端をつまみ上げるとはやての身体に電流のようなものが走り抜けていった。
「はあああああ…!!」
はやては自分がとんでもない声を挙げたことに驚き、咄嗟に手を当てる。

「大丈夫ですか!?はやてさん!?」
突然上がった嬌声にエリオは心配する。これは所謂イッタという状態だが、エリオがそれを知るはずもなかった。
「…なんともないで、エリオ…」
もとの声で大丈夫と告げるが、息を荒くして言われてもそうは見えなかった。はやてが頭に白いもやのかかった状態で息を整えていると下腹部に違和感を覚えた。
視線を落とすと、二人の結合部から透明な液体があふれ出していた。
「エリオ、あたしもうあかんわ…」
上気した頬ではやてが呟く。
「はやてさんどうしましー!?」
エリオが返すよりも早くはやてが腰を動かし始めた。

「う…!!」
体格差もあり、はやてが腰を動かしたことでエリオの手が離れたがそれどころではなかった。ぴちゃん…ぴちゃん…激しい上下運動によって淫靡な水音が響き渡る。
エリオは押し寄せる波に耐えながら、その視線は一点に集中そそがれていた。
「うわああ…」

  二人の結合部分がピストン運動により見え隠れするようになっていた。しかも、エリオのストラーダが濡れていたことで視覚への刺激がより一層強くなっていた。
「はやてさん、僕もう……」
エリオは身体の奥底から湧き上がる感覚に終わりが近いことを告げた。
「エリオええよおお…!!」
それははやても同じだったのか、玉の汗を浮かべながら恥も外聞もない声をあげた。「だめです、また出ちゃいます!!」
「かまへん、漢を見せえ!!」
エリオの宣告を切り捨て、そのまま絶頂へ導くべく運動を加速させる。
「ええよー!!エリオのたくさん…!!」
「ああああ!!」
ドビュッ!!ビュルル…!!
エリオの本日二度目の射精は鉄勢いよくはやての膣に注がれた。

「はあ…はあ…」
「若いって、すごいなあ…」
はやてが腹部に満たされた精の充足を噛み締めている隣で、エリオは疲労感とまどろみの中で息を整えようとするが、やがて中空に意識を放り出した。
 「ううう・・・」
事が終わりそこには穢されたショックに打ち震えるエリオと清清しい笑顔を見せるはやてという対称的な構図が出来上がっていた。
こころなしかはやての肌の艶がいいのは気のせいだろう・・・多分。
「酷いですよ、はやてさん・・・」
冷静な思考を取り戻したエリオが非難の意思を込めてはやてを睨む。座り込んで半泣きになっているその表情は小動物的とも言え、
それがまた一部の嗜好の方々のストライクゾーンど真ん中な訳だが、当のエリオには知ったことではなかった。
 「いやー、すまんすまん、エリオがあんまりに可愛かったものでつい…」
はやてがカラカラと笑う。

「はやてさんは‘つい‘であんなことをするんですか!」
エリオは薄っすら目尻に涙を浮かべながら抗議する。先ほどからこんな平行線の会話が続き全く終わりが見えないでいた。
 二人がそんな不毛なやり取りをしていると、遠くから誰かが近づく音がした。今誰かに来られると非常にまずい。まずはこの状況をなんとかしなくては。
そんなことを考えていると部屋の前から聞きなれた少女の声が聞こえてきた。
「あの、そちらにエリオ君はいますか?」
その声はライトニング分隊のキャロ・ル・ルシエのものだった。二人は慌てて対処しようとするが、気が動転してドアの開閉ボタンを押してしまう。
「「あ・・・」」
 二人は揃って顔を青くするが手遅れだ。ドアが開いたのを入室許可と取ったのかキャロが部屋へ入ってきた。
「エリオ君やっぱりここにいた。あんまり遅いからフェイトさんが心配して…」
そこまで言ってキャロは固まってしまう。家族同然の男の子が異様な恰好をしていれば当然の反応だった。

  「あの、これは…」
このまま変な誤解をされでもしたら今後の生活に間違いなく影響が出る。そう判断したエリオが必死に弁解を試みる。しかしその考えは予想外の一言に遮られた。
「エリオ君とても可愛いよ」
一瞬エリオは何を言われたのか理解出来なかった。予想の斜め上を行く言葉に答えに窮していると、はやてが背後から近づいてきた。
「ほほう、キャロにもこの…エリオちゃんの魅力が分かるんか。ええ素質もっとるなあ」
エリオは聞き捨てならない台詞を言われて混乱したが、立ち直る前にキャロが追い討ちをかける。  
「エリオ君、私のお洋服着てくれる?」
キャロが自分の服を持ち出して着るよう懇願してきたのだ。少なからず好意を持っている女の子からのお願いである。
エリオも本来なら了承したいところだが、ことがことだ。エリオは全力で拒否しようとするが、はやてに抑えられる。

「えっ!?」
エリオは抵抗を試みるが大人と子どもの力の差は如何ともし難く、力負けした。
「さあキャロ、自前の服でもあたしのコスプレ衣装でも何でも試してみい」
ノリノリの二名に全てを諦めたエリオは、このまま事態が無事に終わることだけを祈っていた。
エリオの受難はまだ終わらない。
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