リトルバスターズSS
ネギの正しい使い方

注意:本SSは食事前の方や料理前(特にネギを使う方)は不快に感じる表現が多大に含まれますので
   気をつけてご覧ください。




    「ゴホッ…ゴホッ…」
理樹が自室の蒲団の中で咳き込む。声は心なしかしゃがれており、顔もいつもより赤みを帯びている。
それもそのはず。理樹は今、風邪を引いて寝込んでいるのだ。
理樹の看病を巡って真人と謙吾が名乗りを上げる等の騒動があったが鈴のとび蹴りで一蹴。恋人である鈴が理樹の看病することで決着がついた。

「具合はどうだ?」
鈴が濡れタオルを交換しながら聞く。
さっきまで理樹の額にあったタオルは体温を吸って少し熱くなっていた。それを氷水に浸けて絞り、また理樹の額に載せる。
ひんやりとした感触が頭から全身に駆け巡り風邪の発熱を落ち着かせていく。

「ありがとう、鈴。大分良くなったよ」
理樹は笑顔を向けてそれに答える。
「そうか、それはよかった」
腕を組んでいつも通り大仰に言い放つが、その顔には安堵の表情が見え隠れしていた。

「ふわあ……」
暫くそんな弛緩した中にいると、理樹が欠伸をかみ殺し目を細める。
「なんだ、お前眠いのか?」
その様子を感じ取った鈴が問いかける。

「うん、ちょっと寝たいかな…」
理樹が上体だけを起こして少し大きめのパジャマから出てきた手で目を擦る。その姿は唯でさえ童顔な理樹を更に幼く見せていた。
「そ、そうか!!じゃあ今すぐ横になれ。風邪には睡眠が一番だ!!」
頬を赤くすると、一気に捲くし立てて部屋を後にする。
「り、鈴…?」鈴の突然の退室に理樹は豆鉄砲をくらった鳩のようになっていた。

「まったく、あいつはたまにあたしや小毬ちゃんより可愛くなって。とんでもない奴だな」
鈴がぶつぶつ言いながら廊下を歩いていると、向かいから恭介がやってきた。
「どうした馬鹿兄貴。何か用か?」
「そんなこと言うな、兄ちゃん悲しいぞ。」
口では泣き言を言いながらもその顔は笑っている。鈴の軽口を一々真に受けていたら神経がいくつあっても足りたものではない。

「ところで兄貴、それは何だ?」
鈴の視線の先、恭介の手にはスーパーの袋がぶら下がっていた。
「ああこれか…理樹のために色々買ってきてやったんだ・・・ほれ」
恭介が袋の中身を投げ渡す。それは緑の先端部に白の可食部を持つ野菜、長ネギだった。

「ネギ・・・だな」
「ああ・・・ネギだ」
冷たい沈黙が両者を支配する。ネギを持って廊下で対峙する兄妹は傍から見たらシュール以外の何物でもない。

「でも、これをどうするんだ?」
先に沈黙を破った鈴が頭に疑問符を浮かべながら聞く。
学生寮は安全面の理由からキッチンの類がなく料理は出来ない。せいぜいナイフ類があるくらいのため、鈴の疑問は至極真っ当なものだった。
「何、料理じゃなくてもネギの使い道くらいあるさ」
腕を組んでクールに言い放つ。おそらくいくつかの民間療法を指しているのだろう。
「でもそれは迷信じゃないのか?」
「なあに、おばあちゃんの知恵袋だって案外馬鹿にはならないぜ」
鈴の疑惑の目を恭介はさらりと受け流す。

「そうか、なら試してみよう」
鈴はチリンと音を立てると、踵を返して理樹の部屋へと戻っていった。

「理樹、起きているか〜」
鈴が部屋に帰ってくると、理樹はベッドの上で身体を起こしていた。
微妙にはねて後ろ髪がさっきまで寝ていたことを物語っている。
「理樹、ナイフを借りるぞ」
「いいよ〜」

了解を経てナイフを取り出すとネギを適当な大きさに切り分ける。
「よしっ」
多少不恰好になってしまったが鈴はそれに満足したのか腕を組んで見下ろす。
鈴がそれを持って理樹のもとへ現れる。
「理樹、ちょっといいか?」
「う、うん・・・」
そういうと鈴は視線を理樹の下半身に向ける。

「理樹、尻をだせ」
「うん、分かった。尻を・・・ってえええー!?」
理樹は鈴の言わんとする所を理解し、素っ頓狂な声をあげる。

そのまま逃走を図ろうとするもすぐに掴まってしまう。
鈴は暴れる猫にそうするように片方の手で理樹を押さえつけ、もう片方でネギを正眼に構える。

「り、鈴・・・?」
理樹は迫り来る恐怖に注射される直前に似た感覚を覚える。背中には嫌な汗がじわりと滲んでいる。
しかし鈴はそれを無視してネギを理樹の菊門に宛がう。特有のヌルリとした感触が理樹の全身を支配する。

「鈴、本気なの?」
理樹がうっすらと涙を浮かべて問いかける。確かに恋人との次の一歩を望んでいるが、初めてがこんなアブノーマルなものでは一生モノのトラウマになりかねない。
「安心しろ理樹、痛いのは最初だけだ。時期に慣れる」
「永遠に慣れたくないよ!!」

しかし理樹の抗議も空しく、鈴は無情にもそのままネギを貫いた。
「そーれ、プスっと」
太すぎなければ細すぎもしないネギが冷たさを伴って理樹の直腸を侵食していく。
「アッーー!!」

理樹の悲惨な叫びが男子寮にこだました。

PS:理樹の風邪は鈴の献身的?な看病のおかげで完治したが、翌日登校した理樹が陰鬱な表情を浮かべながらお尻を摩る姿に、西園をはじめとするその手の方々を
多いに興奮させたのはまた別の話である。

あとがき
まず最初にごめんなさい。
私としては受けの理樹が書ければそれで満足だったのですが、まさかここまで頭の悪いSSになるとは…
話自体はニ○ニ○動画で見た嫌な名前で〜シリーズを見て浮かびました。最悪だ…orz

うん、やっぱり理樹くんは総受けだよね(えっ

次回は理樹の告白話を書こうかと画策中
軽めの予告も済ませたところで今回はこれにて失礼いたします
 


 

 


  
  

 

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