「おじゃましま〜す」
「は〜い。今お菓子とか用意してくるね」
挨拶も程ほどに勝って知ったるすずかの部屋に足を踏み込むアリサとニコニコ顔のすずか。
二人は小学校時代からの友人であり、なのはたちを加えた仲良し五人組で行動するのがお約束となっていた。
しかし、なのは・フェイト・はやての三人が本格的に局入りしてからは任務の都合からかアリサとすずかの二人だけになることが多くなった。
これはそんなある日、月村すずかとアリサ・バニングスの秘密の話。

「負けた〜!!」
「あはは、また勝っちゃった」
万歳のポーズをしてゲームのコントローラーを放り出すアリサと。隣でニコニコ微笑んでいるすずか。
すずかは姉である忍の影響もあってか対戦型ゲームは意外に得意だったりする。負けず嫌いのアリサが挑戦し、すずかがそれに応える。
これが二人の間ではお決まりのパターンとなっていた。

「ごめんねアリサちゃん、ちょっと用事があるから下に降りてるね。すぐに戻るからのんびりしててね」
「うん、分かったわ」

そういってすずかが部屋を後にすると急にシンと静まり返り、アリサは外界から遮断されたような錯覚に陥る。
本来の使用人数に対して部屋が広すぎるのが原因だが、それでも寂しさよりも暖かさを感じるのは主の人柄故だろう。
「だるー」
アリサがだれきった表情で室内を見渡していると、ようやくすずかが戻ってきた。

「おまたせ、アリサちゃん」
「おそーい、いつまで待たせるきよ」
アリサはすずかの姿を確認してすぐに復活した。そしてすずかの手元に目を向けると何やら見慣れないものが握られていた。
「ねえ、それ何…?」
アリサは目の前の物体を指差し問う。視線の先では蛇や土中の生き物を連想させるそれがウゾウゾと妖しくうごめいていた。

「これ?リリカル棒MK−Uっていう楽しいおもちゃだよ。お姉ちゃんに作ってもらったんだ」
おっとりした笑顔のまま白状するすずか。アリサとて子どもではない。形状と動きからして”それ”が何であるかは知っているので使う事態は避けたい。

「それをどうする気?」
「もちろん使うんだよ」
「いつ?誰が?」
「今、私とアリサちゃんが」

ザザザッ…!!
「あんた何考えてるのよ!」
アリサは音を立てて後ずさるが壁にぶつかり追い詰められてしまう。
そこにすずかが覆いかぶさるように迫ってくる。すずかの表情はいつもの深窓の令嬢たるそれではなく、情熱に浮かされた不安定なものものである。

「いつかアリサちゃんとこうしたいって思ってたんだ…」
「そういうのは大好きな人にとっておきなさいよ!!」
「大丈夫、私はアリサちゃんのこと大好きだよ…それともアリサちゃんは私のこと嫌い?」
「そりゃ好きだけど、そういう意味じゃなくて…」

アリサの抵抗も空しく、すずかが唇を重ねてくる。小鳥のような啄ばむキスを何回かした後に舌を口内へ侵入させた。
「ん…んちゅ…はあはあ、アリサちゃん…」
すずかはそのまま舌を這いまわしアリサの口を味わっていく。舌や唾液、果ては歯列まで、その全てを確かめんばかりに行為を進める。
静寂に包まれた室内に二人の舌が絡み合う音と唾液の交わる水音だけが切り取られた世界の全てと言わんばかりに響き渡った。
唾液を交換する内にアリサもスイッチが入ったのか自ら舌を絡ませて求めるようになっていた。

「あっ……」
しかし無情にもすずかは一旦密着しきった身体を離した。

「すずかぁ……」アリサはすずかに唇を離されて切なげな声を上げる。だが言葉以上に潤んだ瞳と朱に染まった頬が正直に物語っていた。
「少し我慢してねアリサちゃん、そしたらもっと愛してあげるからね」
そういうとすずかは自分の服を脱ぎだし、アリサの服も脱がせにかかった。

「す、すずか…」
「アリサちゃん…」
ベッドの上で生まれたままの姿で向かい合う二人。これから始めようとする行為のせいか二人の身体はぎこちなさに包まれていた。
「なんであんたまで緊張しているのよ!!」
「だって私も初めてなんだもん…」
やりとりこそいつも通りだが,纏っている空気はかなり異なるものになっている。

「ん、んん…」
「ん……」
本日二度目のディープキスを交わす。今回はさっきと違い、アリサも最初から積極的に動いていく。こぶになった糸のように舌が絡まりあい、
飽和した唾液が二人の口元からだらしなく垂れていく。二人が舌を出し合うと銀色のアーチが出来上がった。
存分の互いの味を堪能したことを確認すると、共にベッドに倒れこむ。
二人分の体重を受けてベッドがギシリと音を立てて歪んだ。

「アリサちゃんの身体、綺麗…」すずかが思わず感嘆の声を漏らす。ここ数年で急激に成長した胸部から細身の腰、
そして大事な場所に至るまで、アリサの肢体は太陽の加護を受けたように輝いていた。
「ちょっと、あんまジロジロみないでよ」
アリサはすずかの視線を追いかけ、咄嗟に腕でそこを隠す。均整の取れた身体にそのポーズは西洋に絵画を思わせる美しさを内包していた。

「恥ずかしがらなくていいんだよ…」すずかはそういうとアリサの鎖骨に優しく口付けをした。
「ふわ、ああ……!!」
すずかが唇を押し付け、チロチロと舌で舐める度、アリサは嬌声を上げる。
「ふふ…アリサちゃん可愛い」
すずかは優しく微笑むとアリサの全身にキスの雨を降らせていった。
鎖骨、胸、、腹と順々に降りていくと、遂にアリサの大事な所に辿り着いた。
「すごいよ、アリサちゃん…」すずかはアリサの髪色と同じ金色の薄い茂みを掻き分けて割れ目を押し広げる。

「いやあ……」
アリサは自身の痴態とそれを見られた恥ずかしさから駄々っ子のようにイヤイヤをする。
「大丈夫だよ、すぐに気持ちよくなるから」
すずかは宥めるように言うとアリサの膣に指侵入させた。

「あれ…?」
すずかは指で中を弄りながら首を傾げる。手探りでアリサのポイントを見つけようとしたが、初めてのことなので上手くいかないようだ。
「あ…ちょっと…やめ…!!」
しかしその不慣れな動きがアリサの快感を揺さぶり、そのまま絶頂へと駆け上がっていった。
「はっ…ふあああ……!!」
アリサは声にならない叫びを上げる。力を入れて絶頂に耐えようとするが、すずかの攻撃が止むことはなかった。

「アリサちゃんのここ、さっきからキュウキュウ泣いてるよ」
アリサのそこはくわえ込んだすずかの指を離すまいときつく収縮している。すずかが指を引き抜くと栓が外れたように止め処なく蜜があふれ出していた。

「すずか、焦らさないで早くしなさいよ…」
アリサが口調こそいつも通りに命令するが、そこに彼女本来の迫力は微塵も感じられなかった。
「ふふ…ちょっと待っててね」
そう妖しく微笑むとすずかは自らの秘部にバイブ〈リリカル棒MKU〉を挿入する。それを馴染ませるともう片方をアリサの秘部へ導いていった。

「あっ…」
くちゅ、という水音とアリサの吐息が混ざり合う。
「大丈夫、アリサちゃん?」
「ええ、思ったより痛くないのね」
すずかの気遣いに落ち着いて答えていく。迎えた痛みが予想より小さかったのか表情も硬さがなくなっている。

「よかった、じゃあ動くね」
そう言うとすずかは弓をひきしぼるように下半身をゆっくり戻し、同じくらいゆっくり挿し込んでいった。
「アリサちゃん気持ちいい?」
「いいよ、すずか…もっと強くして…」
初めての異物の侵入を許したアリサのそこは押し返すようにバイブを締め付けてきた。しかしいくら締め付けてもすずかのモノはあくまで擬似。
感覚までは共有出来なかった。その分を取り戻さんばかりに二人は密着していく。共に抱き合い、一緒に絶頂へと向かって行った。

「アリサちゃん、私…」
「あたしももう限界だわ」
口と口、胸と胸、そしてそれぞれの大事な所をぶつけ合い感覚を共有していく。そして二人に電撃が駆け抜けると快楽に抱かれて眠りに落ちていった。




「この、この、すずかのバカーー!!」
事を終え、意識を目を覚ましたアリサが真っ先にしたことは顔を赤くしながら手当たり次第に物を投げることだった。
アリサは生まれたままの格好で、その度に二つの丘がゆれているがそれを指摘して地雷原に突っ込むほどすずかは無謀ではなかった。

「アリサちゃん、落ち着いて」
すずかがまあまあと宥めるが、一向に効果はない。しかし当のすずかは既に服装を整えている辺り抜け目ないというかなんというか…
「落ち着けったってあんた、あんな…」
アリサは先ほどまでの痴態を思い出したのか再び、温度計のように全身を赤くしていく。

「またしようね、アリサちゃん」
「うるさい、うるさい、うるさあーい!!誰が二度とするもんかー!!」
平和な月村邸にアリサの怒号だけが木霊した。

あとがき

すずかって案外攻めもいけるよね、とか考えてたら一気に電波が降りて書き上げてしまった。後悔はしていない。
ノリノリで攻めるすずかと攻められなれてない故になすがままにされるアリサを書けて大満足です。
当初の予定では忍やノエルも参戦させるつもりでしたが、収拾がつかなくなりそうなので止めときました。
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